第118章 耳たぶの下の小さな赤いほくろ

星高法律事務所を出ると、青木辰樹はスポーツカーに乗り込むなり、御堂怜央へ電話をかけた。

「怜央。星川涼音のところで、誰に会ったと思う?」

「……ん?」

「桐生秘書」

青木辰樹は思い出すだけで可笑しくなる。

「星川涼音に何を相談してるのか知らないけどさ。おまえが就職を邪魔したから、訴える準備でもしてんじゃないの?」

御堂怜央は背もたれに身を預け、片手でこめかみを支えた。まぶたをわずかに伏せ、淡い色の瞳が静かに揺れる。

青木辰樹が続ける。

「他の弁護士ならまだしも、星川涼音に当たったのが厄介なんだよ。あの女、手強い」

御堂怜央の返事は、短い。

「……へえ」

青木辰樹はふざけ...

ログインして続きを読む