第12章 誰かに盗撮される

翌日、桐生冬紀は御堂怜央に同行し、昨日のスミス氏をドラゴンボート工場へ案内した。

青雲グループの主業はベンチャーキャピタル。国内最大級の投資会社の一つで、国内外に出資案件を抱え、その影響力と社会的地位は群を抜いている。ゆえに、行政が後押しするプロジェクトの支援にも率先して関わっていた。

たとえば、このドラゴンボート工場もそうだ。

桐生冬紀は昨夜の取り乱しをきれいに畳み、いつもどおりの「社長秘書」の顔で御堂怜央の隣に立つ。必要なときだけ口を開き、不要なときは静かに付いていく。それだけ。

広い工場内には、すでに彩色を施されたドラゴンボートが何十艘も並び、表情も意匠も一艘ずつ違う。工場長が...

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