第122章 チャラにする

「……」

本田由衣が真っ青な顔で部屋から出てきた。口元が震え、言葉がうまく繋がらない。

「わ……私、その紙……ノートに挟んでたんです。でも、そのノートが急に見当たらなくて……」

その一言で、ただでさえ茶番じみた一件が、さらに滑稽なものへと落ちた。

黒崎悠真が眉を寄せ、視線を落として桐生冬紀を見る。桐生冬紀は口角をわずかに引いただけで、気分は乗らない。無表情なのは御堂怜央も同じだった。

本田由衣は必死に、自分が作り話をしているわけではないと証明しようとする。

「冬紀、私の青いノート、知ってるよね。表紙に私の名前が書いてあって……あなた、笑ったじゃない。学生の頃みたいに、ノート全部に...

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