第129章 誰だろうか

黒崎悠真は授業を終えて研究室に戻り、そこでようやく桐生冬紀からの「ありがとうございました」を目にした。

礼だけではない。窓辺に置いたグリーンの写真まで添えられていて、「日差しがすごくいいです」と短い一言。

悠真は口元をゆるめる。

「これ、ミント? なんでミントにしたんだ?」

桐生冬紀。

「育てやすいですし、何かのとき香りづけしたいなら、ぱきっと一枚ちぎればいいので」

黒崎悠真は思わず吹き出した。

「なるほど。俺もそのうち家に一鉢置こうかな」

「買わなくていいです。生命力強いので、株分けしてあげます。すぐ一鉢になりますよ」

その二通だけで、桐生冬紀の機嫌が悪くないことが伝わっ...

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