第133章 お似合いなのに

桐生冬紀はきゅっと唇の端を引き結び、結局は手を伸ばして彼のカフスを留めてやった。

ルビーの色は深く濃い。彼のシャツに、いやになるほどよく映える。

御堂怜央は伏し目がちに彼女を見下ろした。

以前なら、ネクタイを結ぶのも、カフスを留めるのも、アームバンドを整えるのも、呼吸みたいに自然だった。

それが今は、屈辱を噛み殺している顔。

怜央の口元が、かすかに嘲るように歪む。

カフスは小さい。留めるのは案外手間がかかる。冬紀はできるだけ手早く済ませようとしながら言った。

「御堂社長、さっき言ってた人工心臓って……」

まだ、からかわれているのではと警戒している。

だが珍しく、今回は違った...

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