第134章 親密な振る舞い

御堂家を出ると、桐生冬紀はそのままタクシーを拾い、T市大学へ向かった。車内でスマホを開き、人工心臓について検索をかける。

目的地に着くころには、人工心臓に関しても最低限の輪郭は掴めていた。

スマホをしまい、足早に教授棟へ。

桐生冬紀はこの二か月、就職活動をしていない。代わりに黒崎悠真のもとでアルバイトとして働き、彼の助手をしていた。

最初、黒崎悠真が「そばで手伝って」と言い、しかも給料まで出すと聞いたとき、冬紀は正直――仕事がなくて金銭的に苦しい自分を見かねて、理由をつけて渡してくれているのだと思った。

けれど黒崎悠真は、きっぱり否定した。

期末で、教授の業務に加えて研究関連の用...

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