第148章 御堂怜央がいる

本田由衣の会社のビル下に着くと、桐生冬紀は、由衣が恋人の小林卓真と揉めている場面に出くわした。

由衣は泣きながら卓真の腕に縋りつく。けれど卓真は、露骨な嫌悪と苛立ちを顔に貼りつけたまま、乱暴にその手を振り払った。

窓際やエントランス周辺には、由衣の会社の同僚らしい人間が群がり、面白がってスマホを向けている。フラッシュの代わりに、無数のレンズがきらきらと光った。

由衣がよろめき、地面に尻もちをつく。

卓真は一度も振り返らず車に乗り込み、そのまま走り去った。

残された由衣は、しゃくり上げるように泣き崩れる。

いつもなら、明るくて元気で、場をぱっと照らすような子だ。

それが今は――会...

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