第152章 ブロック

桐生冬紀は反射的に顔を向けた。

けれど見えたのは、闇に溶けるように走り去っていく車のテールランプだけ。

黒崎悠真が視線を落とし、彼女の足元を確かめる。

「捻ってない?」

ゴミ捨てに降りてきたところで、桐生冬紀は黒崎悠真と鉢合わせた。授業が終わってから、彼女と友人のことが気になって様子を見に来たらしい。

桐生冬紀が声をかけようと近づいた瞬間、足が小さな窪みに取られた。だが、彼がすぐに腕を掴んで支えてくれる。

「大丈夫。ヒールじゃないし」

「友だちは、どうなった?」

「会社から事実上の退職勧告。警察も弁護士も、決め手がなくて……本人が『もういい』って」

夜の街灯に、黒崎悠真のメ...

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