第157章 席替え

桐生冬紀はちらりと彼を見上げた。白井柚葉が、もう話してしまったのか。

黒崎悠真は要領を得ない顔をする。

「何の話だ?」

桐生冬紀は表情を崩さない。

「さあ。私にも」

「知らないほうがいい」

御堂怜央は新聞を脇へ置き、低い声で言った。

「昨日、解散してから電話した。なんで出なかった?」

桐生冬紀はすぐにスマホを取り出し、わざと首を傾げてみせる。

「着信、見落としたのかもしれません。御堂社長、何時頃でした? 履歴を確認します」

――言ってみろ。夜八時だと。

御堂怜央は答えず、ただ彼女を見ているだけだった。

来栖千隼は事情が分からない。だが二人の間の空気が妙に張っているのを...

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