第164章 尾行する者

責任者は言い淀んだ。

「それは……少々難しいかと。あの階はほかのお客様もいらっしゃいますし、プライバシーの問題もございます。私の一存では判断できませんので、上に確認が必要になります」

「確認してもらって構いません。ただ、こちらとしてはいつでも通報できます。尾行されて嫌がらせを受けているんです。警察が来れば、映像の提出を求める権限もあるでしょう?」

桐生冬紀は声を荒らげずに言った。

責任者も場数は踏んでいるのだろう、薄く笑って返す。

「お客様ご自身に実害が出ていない以上、尾行というのも推測の域を出ません。警察が来られても、事件として受理されない可能性もあります。証拠もない段階では、当...

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