第165章 小鳥のように寄り添う

「まだだ」

「例の番号は?」

白井柚葉とのキス写真を送ってきた、あの番号。

「……バーチャル番号だ。追うのが厄介で、まだ洗ってる最中」

「他人の監視カメラ覗いてる暇があるなら、その時間で洗え。なんだって出てくるだろ」

坂本裕也が笑い混じりに悪態をついた。

……

桐生冬紀はスマホを握ったまま化粧室へ入り、通話に出た。

「姉さん」

「冬紀、今忙しい?」

姉の声はやけに軽い。トラブルの気配がなくて、冬紀の神経がふっと緩む。

「忙しくない。どうした?」

「お母さんが冬紀のマフラー編み終わったんだって。次は手袋も編みたいって言い出してさ、今すぐ『何色がいい?』って聞けってうるさ...

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