第170章 榎本時哉に賠償を求める

桐生冬紀はそのままアルバムを開き、戻るボタンを押し続けた。何回押したかも分からない。終わりが見えない。――全部、彼女の写真だった。いろんな場面の、いろんな表情の。

さらに何枚か戻したところで、今度はドラゴンボート工場の写真まで出てきた。

桐生冬紀はようやく、このカメラをどこで見たのか思い出す。顔を上げ、マスクの男を見据えた。

「数か月前、ドラゴンボート工場で……私の代わりに証言するためにカメラを貸してくれたのも、あなたでしょう」

白井柚葉に「ロープを引っ張った」と濡れ衣を着せられ、事故になりかけた、あのときだ。

あのあと桐生冬紀はカメラを工場長に預け、善意の持ち主へ返してもらうよう...

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