第177章 写真はお前が送った

桐生冬紀は反射的に足を止めた。

御堂怜央も同じように視線を上げる。目が合う。怜央は通話中で、声は氷みたいに硬かった。

「言うべきことを整理してから掛け直せ」

そう言い捨てて、ぶつりと切る。

機嫌が悪いのは一目で分かった。だから、その苛立ちの矛先が彼女にも向く。

「入らないなら手を離せ。俺の時間を無駄にするな」

桐生冬紀は下りボタンを押し続け、扉が閉まらないようにした。

本当なら同じエレベーターで降りたくない。けれど次を待てば会議に間に合わない。

結局、彼女は乗り込むしかなかった。

狭い箱の中。扉際に立ち、できるだけ距離を取っても、彼の身体から漂う、ひやりとした匂いがかすかに...

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