第178章 戻る

桐生冬紀ははっと息を呑み、顔を上げて彼を睨みつけた。

「だから何ですか。そんなの希少品でもないでしょう。大きい病院ならどこにでもあります」

「同じじゃない。メーカーも違えば、執刀医の腕も違う。仕上がりも変わる」

御堂怜央は温度のない声で言った。

「おまえの担当医は、感染率をどれくらいだって言った? 50%か?」

桐生冬紀の呼吸が止まる。

「俺の医者は10%だ」

……10%。

母の担当医は、T市でも名の知れた医師だ。それでも、感染する確率を50%までしか下げられない。

それが、10%。

つまり、母が助かる可能性は五分五分から九割に上がるということだ。

九割。

九割、だ。

「...

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