第179章 行方不明

鈴奈はホテルへ戻るなり、まっすぐ会議室へ駆け込んだ。扉を勢いよく押し開け、叫ぶ。

「大変です! 桐生さんが……いなくなりました!」

ちょうど今日の業務をまとめようとしていた面々が、いっせいに彼女へ視線を向ける。

黒崎悠真が、すっと立ち上がった。――研究室の用事を片づけて戻ってきたばかりだ。

ここで待っていれば、桐生冬紀が仕事を終えて帰ってくる。そう思っていたのに、返ってきたのは凶報だった。

「……何だって?」

鈴奈は、演技がうますぎるほどだった。

「今日、いくつかの施設を回ってデータ採取してたんです。作業が終わってホテルに戻ろうってなったとき、桐生さんが急に『お手洗い行ってくる...

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