第180章 もう一つの顔

「余計なお世話だろ」

御堂怜央は取り合う暇もなく、非常階段を足早に抜けた。

スマホを取り出し、運転手へ電話を入れる。

鈴奈が追いすがる。

「分かってないなあ。女って、こういうのに弱いんだよ。あと1時間待ってさ、あの子がひとりぼっちで怯えてるところに、あなたが現れるの。そしたらあっさり心を動かされて、復縁ってわけ」

「ホテルの正面で拾え」

御堂怜央はそれだけ言って通話を切ると、行く手を塞ぐ鈴奈を押しのけ、下りのエレベーターを呼んだ。

「俺が知ってるのは、おまえが今、躾けが足りないってことだけだ。明日には実家に戻れ」

鈴奈の顔色が変わる。

「手伝ってあげてるのに! なんで恩を仇...

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