第187章 心を刺す

「ん? 誰かに似てる?」

来栖千隼は頭の中で鈴奈の顔立ちを反芻した。言われるまで気にも留めていなかったのに、そう言われると、たしかに誰かの面影が重なって見える気がする。

ちょうどエレベーターが到着し、扉が開いた。来栖千隼は反射的に顔を上げ――1階だと気づく。

「なんで1階?」

戻るのは19階と20階のはずだ。

御堂怜央が先に降りる。

「フロントでちょっと受け取るものがある」

受け取るだけならすぐ戻るだろう。来栖千隼は開ボタンを押したまま、しばらく待つことにした。

ほどなくして御堂怜央が戻ってくる。手には小さな救急箱。

「怪我したのか?」

そう口にした直後、御堂怜央が17階...

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