第198章 写真を撮っているのか

木の葉が風にあおられてざわざわと揺れ、地面に落ちた影もまた、風の中の柳の枝みたいに、勝手のきかないままゆらゆらと踊っていた。

桐生冬紀は終始、受け身のまま。いっぽう御堂怜央は、さっき彼女が榎本時哉の名を呼んだせいか、瞳の奥に冷えた静けさを沈めたまま――。

容赦なく身体を弄ぶくせに、その顔だけは、まるで他人事みたいに淡い。

不意に、携帯の着信音が鳴った。

桐生冬紀の身体がびくりと震える。御堂怜央が低く言った。

「力抜け」

抜けるわけがない。

これ……自分のスマホじゃない?

小太りの男と、ひょろりとした男に取り上げられたはずなのに。

――取り上げられて、ない?

頭がぐらぐらし...

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