第204章 行かせない

桐生冬紀は、一語一語かみしめるように言った。

「昨日の夜、森で穴を掘ってた二人――ひょろりとした男と小太りの男に、危うく拉致されかけました」

警官はそれを聞くなり表情を引き締め、彼女に着席を促して調書を取り始めた。

桐生冬紀は昨夜の出来事を包み隠さず報告した。もちろん、御堂怜央と清掃用具室で起きた一件だけは伏せた。

聴取が終わると、警官は重い声で告げた。数日前から、ひょろりとした男と小太りの男の身柄を確保しようと動いていたが、二人は逃走したのだという。

つまり――逃亡犯。

桐生冬紀は息を呑み、慎重に言葉を選んだ。

「私を捕まえようとしたのは、間違いなくあの二人です。薬も使われま...

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