第21章 掌の上で転がす

彼女だって、彼の問いに答える義務なんてない。

桐生冬紀は話をすり替えた。

「来栖社長が対応してくださるなら、成宮さんも金崎社長も大丈夫でしょう。私は失礼します」

その態度は、まるで他人に向けるみたいに淡々としていた。

御堂怜央は冷えた目で彼女を見送る。冬紀が背を向けて二歩ほど進んだところで、ようやく口を開いた。

「もう一週間だぞ。まだあの日の勢いが抜けないのか?」

桐生冬紀は足を止める。すぐに理解した。

彼は、あの日病院で彼女が理不尽な目に遭い、頭に血が上った勢いで感情をぶつけただけだと思っている。時間が経ったのだから、もう落ち着いているはずだ、と。

実際、あとから思い返せば...

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