第210章 死んでも道連れにする

桐生冬紀は淡く目を上げ、感情の起伏も見せずに言った。

「福田さん、人違いです。私はあなたの言う海子じゃありません」

「おっと、そりゃ失礼。勘違いだった」

福田圭介はわざとらしく目を見開き、親指を立てる。

「桐生さんは海子じゃない。桐生さんは警察に積極的に情報提供する善良な市民だもんな。あんたの一言で、俺のバーはいまだに営業停止のままだ」

桐生冬紀は表情ひとつ変えない。

福田圭介は脅しが効かないと見るや、鼻で笑って視線を御堂怜央へ移した。

「御堂社長がわざわざご来村とは。じゃあ俺がガイドを務めましょうか。ここなら俺が一番詳しい」

「いい」

御堂怜央の顔に驚きも警戒もない。

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