第213章 くそったれ

御堂怜央は無表情だった。

「俺を助けたのは、そのためか?」

――ほかに何がある。

桐生冬紀は、彼がしらばっくれるのを警戒していた。

「御堂社長は、恩を仇で返すような方じゃありませんよね?」

御堂怜央は鼻で笑い、顔から温度が消えた。彼女を見るのも億劫だと言わんばかりに視線を外し、腹の傷を押さえた。

「大人しくしてろ。退院したら消す」

入院はたった二日。

それでも同じ病室で、昼も夜も四十八時間――顔を突き合わせると思うだけで、桐生冬紀は胃の奥が重くなる。

いっそ、このあと看護師に言って今日中に退院できないか、と思った。

その考えを御堂怜央は見抜いたように、冷ややかに言う。

...

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