第22章 彼女に飲ませる

捕まえられた瞬間、桐生冬紀はびくりとして、反射的に振り向いた。そこには、成宮明人のきらきらした目。

「ほらな。電話越しに聞こえた音楽、こっちとまったく同じだった。絶対この辺だって思ったのに、よくも俺に嘘ついたな!」

「……」

桐生冬紀は舌先をきゅっと噛んだ。

本田由衣がこの近くで取引先と飲んでいて、「ちょっと酔っちゃったから迎えに来て」とメッセージを寄こした。由衣は滅多に人に頼らない。何かあったら、と冬紀はすぐ駆けつけた。

ただ、由衣は個室番号を書いていなかった。どの部屋かも分からず返信を待っていたところへ、成宮明人から電話が来た。

説明する気力もなくて、「家に親戚が来てる」と咄...

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