第221章 体を拭いてくれ

桐生冬紀はその場から動かなかった。

御堂怜央がふっと息を沈める。

「ここまで俺を苛立たせておいて、何かひと言くらいないのか」

「何を言えばいいんですか。花でも贈れって? 御堂社長、そんな回りくどいこと言わないで、はっきり言えばいいじゃないですか。『水を注がないなら写真をばら撒く』って。そう言われたら注ぎますよ」

「……」

御堂怜央は結局、呆れたように笑った。

「そうだな。おまえに腹を立てて俺が死んだら、おまえの写真を印刷して墓石に貼ってやる。遺影代わりにな。皆に見せてやる」

桐生冬紀が思わず言い返す。

「病気ですか」

御堂怜央は唇をきゅっと結び、言い合いはしないまま布団...

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