第232章 言い方

北野紗耶が服を持ってきてくれると、桐生冬紀はすぐに着替えた。御堂怜央を避ける暇すらなく、そのままドアを開けて、足早に階段を駆け下り、ホテルを出る。

外はもう、すっかり夜だった。

歩きながらスマホを取り出し、航空券を検索して予約を入れる。

最短の便は一時間半後。けれど、ここから空港までは車で一時間かかる。

桐生冬紀は大きく息を吸い込み、冷静さを無理やり引き寄せた。予約を確定させると同時に配車アプリを開く。

――しかし、時間帯が悪い。

夕方のラッシュ。前には三十人以上の待ち。通りに出てもタクシーはつかまらない。

見知らぬ街の歩道に、桐生冬紀はひとり立ち尽くした。夜の重みが頭上からの...

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