第253章 馴染みの味

御堂怜央は淡々と言った。

「万が一のことがあっても、医者も看護師もいる。あいつらが対処できないなら、おまえがいて何ができる?」

桐生冬紀は言い返せないまま、彼に連れられて東海へ戻った。

その頃、白井柚葉は車で東海へ向かい、遠目に御堂怜央の車が建物の下に停まっているのを見つけて、ぱっと顔を明るくした。合流しようとアクセルを踏みかけた、その次の瞬間。

車から降りてきたのは、桐生冬紀だった。

そして彼女は御堂怜央の後ろについて、当たり前みたいに玄関へ入っていく。

白井柚葉は、ぽかんとした。

――え……?

……

主寝室。

御堂怜央はクローゼットを開け、ざっと中を見回すと、昔の彼女...

ログインして続きを読む