第259章 何の資格があるのか

桐生冬紀は振り返った。

「昨夜はぐっすり眠ってました。知りません」

御堂怜央は彼女を見つめる。黒い瞳の奥が深い。手を拭き終えてから、ようやく口を開いた。

「今のひと言のあとなら、続けて聞くべきだろ。俺が昨夜、何で外に出たのか」

桐生冬紀はわずかに眉を寄せる。

「これまでだって、御堂社長の生活に口を挟んだことはありませんよね」

御堂怜央はタオルを置き、淡々とした顔で言った。

「これからは、もっと聞け」

桐生冬紀には理解できない。道具に求める水準が、ここまで苛烈になったということなのか。

途端に、目の前の景色さえ色褪せた気がした。

適当に頷く。

「分かりました」

72時間...

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