第26章 彼の手

後部座席に女が三人。御堂怜央は助手席へ回った。

桐生冬紀はどうにもならず、配車アプリをキャンセルするしかない。

白井柚葉が「送っていく」と言い出し、二人も本当に頷いたものだから、言い出した本人がいちばん居心地悪そうだった。

本当は、自分の立場を見せつけたかっただけだ。桐生冬紀の性格なら、絶対にこの車には乗らない――そう踏んでいたのに、読みを外した。

けれど、桐生冬紀が乗ったのは自分が口を挟んだからだと思うと、どこか誇らしくもある。

車が走り出す。

白井柚葉はまた、桐生冬紀と御堂怜央の「何年もの付き合い」を思い出してしまい、こっそりルームミラーを盗み見た。助手席の御堂怜央は目を閉じ...

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