第262章 高校の初恋

岡村優里は唇をきゅっと結び、立ち上がった。

「ちょっと待ってて」

そう言うなり、彼女は個室を足早に出ていった。

……

御堂怜央は会社へ戻る予定で、桐生冬紀は母親の見舞いに病院へ向かう。

二人は店の入口で別れた。桐生冬紀が形式的に言う。

「御堂社長、先に失礼します」

御堂怜央が横目で睨む。

「柳原礼治が室内で喫煙してるって通報したの、おまえか?」

桐生冬紀は顔色ひとつ変えない。

「御堂社長、私は本当にしていません」

御堂怜央は信じない。口元を薄く歪める。

「別に、やったとしても間違ってるとは言ってない」

そんな挑発に乗るほど、桐生冬紀は愚かじゃない。この世で完全に信用...

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