第268章 傘を差させる

桐生冬紀は彼と一勝負やり合って、神経をすり減らし、ふうっと息を吐いた。窓の外へ視線をやる。

「芝生の上にあるのって、的ですか? 弓の的、それとも銃の的?」

スタッフが朝食を運んできて、にこやかに答える。

「弓の的でございます。射撃場もございますが、そちらは室内になります」

「弓かあ」

冬紀の声に、興味が滲む。

御堂怜央の朝食は粥だった。彼はスプーンを取り、彼女の様子を見てさらりと言う。

「アーチェリー、やる? 連れて行ってやる」

寝るか、射るか。

桐生冬紀が選ぶのは、もちろん後者だった。

朝食を済ませると、二人はそのまま芝生へ向かった。

二人きりだと思っていたのに、着い...

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