第271章 妄想

その場に残ったのは女が三人だけ。葉山怜美は鈴奈みたいに感傷に浸るタイプじゃない。不機嫌そうに白目をむき、指をぶんぶん振って吐き捨てた。

「アーチェリーの何が楽しいのよ。手、痛すぎ!」

鈴奈は冷めた声で返す。

「だから言ったでしょう。あなたは黒崎社長の足を引っ張るだけだって。葉山お嬢様、自分の器くらいわきまえたら? 無理に居座っても意味ない。握れないものは握れない。最後は負けるだけ」

怜美だって馬鹿じゃない。刺のある言い方だと分からないはずがなく、顔を歪めた。

「……あんた!」

勢いよく振り向くと、鈴奈は片手に日傘、もう片方の腕を胸の前で組み、気だるげに立っていた。陽射しが容赦なく...

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