第272章 分かるか

葉山怜美の顔色はみるみる白くなり、桐生冬紀も彼女が倒れるのを恐れて、弓を下ろした。

鈴奈も首元から手を離し、悠々とベンチへ腰を下ろす。

葉山怜美は足がふらつき、危うくその場に崩れ落ちそうになった。彼女は二人を憎々しげに睨みつける。

「わ、私……友也が戻ったら、絶対に言いつけてやるんだから!」

「好きにすれば」

葉山怜美は何かし返したかったのだろう。けれど、目の前の二人の整いすぎた顔を前にすると、手も口も出せない。最後は悔しさに足を踏み鳴らし、ぷいと背を向けて去っていった。

さっき前後して出ていった二人の男も、今度は前後して戻ってくる。

御堂怜央は空気の微妙さを当然のように察し、...

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