第278章 チャラで

柳原礼治は葉山怜美の提案に同意しなかった。

「女の子に人前で服を脱がせるのはさすがにまずい。なら――」

桐生冬紀が即座に言葉を継ぐ。

「なら、チャラで」

「……」

柳原礼治はそこでようやく、二歩ほど前に立つ桐生冬紀に目を向けた。彼女は目を細めている。

「桐生さん、チャラって……どういう意味ですか?」

桐生冬紀の一言で、部屋中の視線が一斉に彼女へ集まった。

「私がまだここにいるのに、岡村さんは御堂社長を連れて行こうとする。……それって、私への敬意が足りないんじゃないですか」

岡村優里が一瞬、言葉を失い、それから反射的に言い返す。

「私はただ、御堂社長に用事があるだけです!」...

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