第281章 報酬を要求する

「さあね」

鈴奈が言った。

「今のところ、後悔って感情はあんまりなくて……ただ、つらいし、悲しい。何年も抱えてたのに、結局あの人の心は温まらなかった。やっとここまで来たのに、他の誰かに持っていかれるなんて」

桐生冬紀が言う。

「じゃあ、少し時間を置いて。何か月後でも、何年後でもいい。振り返ったときに初めて分かるかも。あの男が自分の人生にいたことを、後悔するのかしないのか」

鈴奈は笑った。

「うん」

いろんなことも、時が過ぎてからもう一度整理し直して、ようやく正解と間違いが見えてくる。

鈴奈はだいぶ落ち着いたらしく、ふと好奇心をのぞかせた。

「ねえ、なんで聞かないの? 私...

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