第29章 義姉さん

点滴が終わると、看護師が針を抜いた。桐生冬紀はスマホを取り、本田由衣に「今どう?」とLINEを返す。

由衣は出勤している。そう簡単に休める人じゃない。

冬紀は「もう大丈夫。帰るね」と返した。けれど本当は、もう少しだけ眠りたかった。看護師に追い立てられることもない。なら――と、目を閉じる。

昼まで眠って、一本の電話で起こされた。

「……もしもし、どちらさまですか?」

相手は露骨に不満そうだった。

「冬紀、俺だよ。なんで毎回、電話するたび『どちらさま』なんだよ。俺の番号、登録してないの?」

「成宮さん……?」

「そうそう!」

桐生冬紀は小さく息を吐く。

「すみません、成宮さん...

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