第294章 黒崎悠真の告白

雨宮家の満月祝いは自宅で開かれていた。邸宅は内も外も灯りで満ち、夜の闇を押し返すほどに明るい。

桐生冬紀と黒崎悠真が宴会場を出て庭へ回ると、風が思いのほか強かった。冬紀はドレス一枚。冷えたらいけない、と悠真が言う。

「雨宮おばあ様にはもうご挨拶したんだろ。先に失礼していい。俺が送るから、帰ろう」

冬紀は首を横に振った。

「もう少しだけ。まだ宴の途中だもの」

今ここで帰ったところで、気に留める人などいないかもしれない。それでも彼女は、後ろ指をさされるような隙を残したくなかった。いつだって、礼は尽くしておく。そういう癖が、骨の髄まで染みついている。

悠真は黙って手を伸ばし、彼女の肩に...

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