第36章 同意しない

成宮明人は部屋のドアを出るや否や、階下の宴会場にいる客へ向かって声を張り上げた。

「重大発表がある! みんな、よく聞け! 俺は――」

桐生冬紀はどこから絞り出したのか、自分でも分からない力で片手をドア枠に掛け、引きずり出されるのをこらえた。もう片方の手で、勢いよく彼を払いのける。

不意を突かれた成宮明人は、彼女の一振りでよろめき、そのまま廊下に尻もちをついた。危うく仰向けに転がりそうになり、階下から「えっ?」というざわめきが一斉に湧く。客たちは背伸びして、何が起きたのか覗き込んだ。

桐生冬紀は素早く二歩下がる。部屋の外には出ない。客の視界にも入らない。

一度、息を整える。そして、低...

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