第37章 子どもを産む

御堂怜央は、たしかに軽い男じゃない。少なくとも――冬紀が彼のそばにいた三年間、女は彼女ひとりだった。

そして今。彼は白井柚葉を「尊重」して、婚前の関係は持たない。だから欲の捌け口は、結局、道具である自分に戻ってくる。

あの日、彼が柚葉を褒めた言葉を冬紀は覚えている。「古風でいい」の前に、たしか「しつけがいい」とも言った。

そうだ。彼の中で自分は、しつけの行き届いたいい子じゃない。

でなければ、名も立場もないまま三年もそばに置かれ、最後には雑巾みたいに、ぽいと捨てられたりしない。

……よかった。自分から先に離れた。だからこそ、彼が妻を迎えて、子どもを作る邪魔にもならない。

子ども―...

ログインして続きを読む