第42章 お前を牢屋に入れる

桐生冬紀は素早く顔をそむけてかわした。御堂怜央の唇は空を切る。だが彼は間髪入れず追ってくる。不死身でもあるかのような、執念の勢いで。

桐生冬紀の手がバッグの中へ滑り込み、何かを掴んだ。

次の瞬間――シューッ。

御堂怜央の目の前で、鼻を突くほど刺激の強い白い霧が、ぱっと弾けた。

御堂怜央は反射的に目を閉じ、桐生冬紀から身を引くと、よろめきながら数歩、後ろへ下がった。

ほとんど同時に、目を刺す痛みと喉を焼くような熱さが襲い、御堂怜央は堪えきれず激しく咳き込む。

「げほっ……! げほ、げほっ……! 桐生冬紀!」

桐生冬紀だって無傷ではない。

距離が近すぎた。けれど彼女は用意があった...

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