第62章 興味がある

その一言で、桐生冬紀は両親に完全に失望した。以来三年間、いっさい連絡を取らなかった。――数か月前、ふと思い立って電話をかけてみたものの、つながらなかったが。

そのときは鼻で笑ったものだ。薄情さで言えば、やっぱりあの二人が上だ。縁を切ると言ったら、本当にきっぱり切る。

いま母の声を聞いて無事だと分かった以上、もう気にしない。互いに、互いの人生を生きればいい。

お茶をひと口飲み、桐生冬紀は秘書室へ戻った。

席に着くなり、松本小夜が昨日の書類を彼女のデスクへ放り投げる。勝ち誇った顔で。

「御堂社長にもう話したから。御堂社長が、あんたに担当させるって指名したのよ!」

ちょうど桐生冬紀も、...

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