第65章 強要

桐生冬紀は表情ひとつ変えず、静かに聞き返した。

「……彼女を、どうするおつもりですか?」

近藤社長は鼻で笑う。

「それは俺の問題だ。おまえには関係ない」

「もし近藤社長が、彼女に危害を加えるようなことをして――犯罪に触れるなら、私は共犯になります。関係ないとは言えません」

「俺はおまえのために言ってやってるんだ」

近藤社長は指先で机を叩きながら、ねっとりとした口調で言葉を組み立てていく。

「たぶん、もともとあいつの担当だった厄介ごとが、おまえに回ってきたのは……御堂社長があいつを庇って、あいつ側に立ったからだろ。あいつがいる限り、おまえの邪魔にもなる。俺に渡せ。俺が片づけてやる...

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