第83章 彼女を奪い返した

黒崎悠真は彼女を見下ろした。

「ん? 俺にも分からない。さっきは照明が落ちてて見えなかったし……でも灯りがついた瞬間、君がすごく近くにいた。たぶん、そうなんじゃないか」

桐生冬紀は顔を横に向け、周りを確かめた。男女問わず、誰も目隠しなどしていない。

――間違っていなければ、このゲームは目隠しをして相手を探し当て、パートナーが見つかったら布を外すはずだ。

なのに、あの男は彼女の目を塞いだままにした。何も見せないように。

わざわざ消灯しているのだから、元々ほとんど見えない。それでも、ほんの少しだって見せたくなかったのだ。

あれは、黒崎悠真ではない。

黒崎悠真が訝しげに呼ぶ。

「桐...

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