第87章 脅かす

「柳原社長、買いかぶりすぎですよ。たぶん、場数ってやつです。昔は私もぜんぜんでしたけど――私は青雲の専属秘書ですから。青雲を代表して、いろんな社長さんや奥さまたちとお付き合いする機会が多いんです。打ってるうちに、自然と慣れました」

柳原社長の手が、ぴたりと止まった。

専属秘書――。

社長たちと、その夫人たち――。

男はその言葉の重みを、舌の上で転がすように量った。

「……なるほどな」

御堂怜央も、その含みのある一言に反応して桐生冬紀をちらりと見やり、牌を切った。

桐生冬紀は迷いなくそれをチーし、卑屈にもならず、かといって挑発的にもならない目で、真正面から御堂を見返す。

今のは...

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