第93章 もう終わった

桐生冬紀には分かった。――こいつは、私が黒崎悠真と何かしたと思ってる。だから身体を確かめるつもりなんだ。

悔しさで、腹の底が爆発しそうだった。

私はこいつの私物か? 他人が触れたかもしれないだけで検査?

人として見てない。

もう、うんざりだ。

どこから湧いた力か、自分でも分からない。桐生冬紀は御堂怜央を突き飛ばし、乱れたガウンをかき合わせると、ベッドを降りて出ていこうとした。

背後から追いつかれ、手首を掴まれる。

考えるより先に、振り向きざま平手を振り抜いた――

当たらない。

もう片方の手も大きな掌に捕まれた。男は二歩、三歩と強引に押し込み、桐生冬紀を壁へ叩きつける。両腕は...

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