第114章

神宮寺玲央は、藤堂静香の胸の奥に刺さった棘だった。

彼女は玲央の顔を見るたび、心が崩れてしまう。

やがて藤堂静香は、その苦しみに耐えきれなくなり――ひとつの「方法」を思いついた。

「……どんな方法?」

朝比奈澪が、張りつめた声で尋ねる。

胸の奥がぎゅっと締めつけられ、瞳には痛ましさが滲んでいた。

神宮寺蓮司の目にも、深い痛みが沈んでいる。

「玲央を……遠くへやる。誰にも見つからない場所へ送って、それから――誘拐されたことにするんだ」

「……っ」

朝比奈澪は息を呑み、落ち着かない手つきで指を握りしめた。

「決めた瞬間から、母さんは動き出した」

その頃の神宮寺玲央は、まだ七...

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