第115章

神宮寺美琴は歯ぎしりしながら吐き捨てた。

「野仲先生、あなたは知らないでしょうけど……朝比奈澪が嫁いでから、神宮寺家は毎日が修羅場よ。あの子が医術を使えるからっていうだけで、おじいさまが、あんな品のない女を家に置いてるの。じゃなきゃ、とっくに追い出してるわ」

朝比奈澪の名を口にした瞬間、美琴の胸の奥で怒りが爆ぜた。

いったい、あの女は何をしたのだろう。

嫁いできた途端、――本来なら自分だけのはずだった寵愛を、根こそぎ奪っていった。

家の人間は皆、澪を中心に回っている。

母にまで「澪には手を出すな」と釘を刺された。

野仲はその表情を見逃さず、瞳の奥に読めない影を走らせる。

そし...

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