第17章

神宮寺美琴の胸が、どくんと跳ねた。顔色が一気に失せる。

――知っている。もちろん。

美琴だけじゃない。神宮寺家の人間なら、誰もが知っている。

鈴木梨乃は藤堂静香に引き取られてからずっと、神宮寺玲央に想いを寄せていた。

そして一年前、ようやく勇気を振り絞って告白した。

けれど玲央は、容赦なく突き放した。

諦めきれなかった梨乃は、藤堂静香と手を組み、玲央のグラスに薬を盛った。既成事実を作るつもりだったのだ。

だが、その夜――玲央は毒が回り、正気を失った。

身内も分からない。理性もない。

ただ檻を壊して飛び出そうとする獣みたいに、目につくものすべてに暴力を振るった。

そして、鈴...

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