第20章

「藤堂静香に警告しろ。朝比奈澪に、もう二度と手を出すなって。さもないと……俺が、どんな罰当たりな真似をするか分からない」

神宮寺玲央の声は底冷えしていた。まるで氷を薄く張ったみたいに、ひやりと。

神宮寺宗一郎は、幽かに息を吐く。

……業だな。

せっかくの家が、最後はぐちゃぐちゃだ。

藤堂静香の顔が脳裏をよぎった瞬間、さっきまでの上機嫌は跡形もなく崩れた。自慢話をする気力すら、すっと萎える。

宗一郎は藤堂源蔵と神原源三郎に手を振った。

「悪い、先に切る」

「静香と怜央、また揉めたのか?」

通話が切れる直前、藤堂源蔵がふいに口を挟んだ。

藤堂源蔵――藤堂静香の父親だ。

神宮...

ログインして続きを読む