第55章

「そうよね。前は可愛いって思ってたのに! 自分から落ちていくなんて最低!」

「まだ若いのに、何してるの? わざわざ年上の男の愛人とか……気持ち悪っ!」

「見た目だけ取り繕ってる子っているよね。あの顔だって、いくら整形に突っ込んだんだか」

金はどこから出た?

決まってる。年上の男が出したに違いない。

そんなふうに、勝手な筋書きが出来上がっていく。

周囲はやけに賑やかで、視線が次々と集まった。

朝比奈澪を見る目には、露骨な好奇心が浮かんでいる。

澪はオレンジジュースを最後の一口まで飲み干すと、紙ナプキンを一枚すっと抜き取り、唇の端を軽く押さえた。

所作はゆったり。焦りも動揺も、...

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