第63章

静まり返った会議室――静かすぎて、むしろ薄気味悪いほどの空気の中。

ぶるる、とスマホのバイブが震えた。

一斉に視線が泳ぐ。

(誰だよ、この場でマナーモードにし忘れる胆力あるやつ……)

そんな中、冷ややかな面立ちの神宮寺玲央が、卓上の端末をすっと取り上げた。

着信表示を一瞥し、わずかに躊躇ったあと――それでも通話を取る。

「……もしもし。何の用だ」

低く澄んだ声。淡々としているのに、逆らえない圧が滲む。

会議室の全員が反射的に息を止め、空気の一粒すら動かせなくなった。

社長の顔色が、みるみる沈んでいく。

端正なその横顔が、次の瞬間には墨でも垂れそうなほど。

――電話の向こ...

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